名前
Tie::Trace - tieで簡単printデバッギング
バージョン
Version 0.12
概要
use Tie::Trace qw/watch/; # or qw/:all/
my %hash = (key => 'value');
watch %hash;
$hash{hoge} = 'hogehoge'; # warn "main:: %hash => {hoge} => hogehgoe at ..."
my @array;
tie @array;
push @array, "array"; # warn "main:: @array [0] => array at ..."
my $scalar;
watch $scalar;
$scalar = "scalar"; # warn "main:: $scalar => scalar at ..."
説明
Tie::Traceはprintでバッキングに有用です。tieを使って、特定の変数に 入れられた/削除された値を見ることが出来ます。
入れられた値が、スカラ/配列/ハッシュリファレンスであれば、 Tie::Traceは再帰的にその値をチェックできます。
例;
watch %hash;
$hash{foo} = {a => 1, b => 2}; # warn "main:: %hash => {foo} => {a => 1, b => 2}"
$hash{foo}->{a} = 2 # warn "main:: %hash => {foo}{a} => 2"
ですが、blessされたリファレンスやtieされた値は無視されます。
関数
このモジュールは、version 0.06 から、watch
関数を提供しています。 この関数のみを使うべきであって、代わりに tie 関数を使ってはいけません。
- watch
-
watch $variables; watch $scalar, %options; watch @array, %options; watch %hash, %options;
変数を
watch
し、そこに、値が入ったり、消されたりすると、 下記のようなメッセージで警告します。main:: %hash => {key} => value at ...
watch
する前に値が入っていても、問題ありません。Tie::Traceはうまく動きます。my %hash = (key => 'value'); watch %hash;
オプション
watch
をオプション付きで使うことができます。 グローバルなオプションが欲しければ、グローバル変数 を見てください。
- key => [values/regexs/coderef]
-
watch %hash, key => [qw/foo bar/];
これはハッシュのためのものです。チェックするキーの名前か、キーに対する正規表現を指定できます。 指定された/マッチしたキーでなければ、警告の対象にならず、無視されます。 コードリファレンスを指定した場合、コードリファレンスの第一引数は、tieされた値で、第二引数以降は値です。 コードリファレンスが偽を返した場合、無視されます。
例;
watch %hash, key => [qw/foo bar/, qr/x/]; $hash{foo} = 1 # warn ... $hash{bar} = 1 # warn ... $hash{var} = 1 # *no* warnings $hash{_x_} = 1 # warn ...
- value => [contents/regexs/coderef]
-
watch %hash, value => [qw/foo bar/];
チェックする値の内容か、値に対する正規表現を指定できます。 指定された/マッチした値でなければ、警告の対象にならず、無視されます。 コードリファレンスを指定した場合、コードリファレンスの第一引数は、tieされた値で、第二引数以降は値です。 コードリファレンスが偽を返した場合、無視されます。
例;
watch %hash, value => [qw/foo bar/, qr/\)/]; $hash{a} = 'foo' # warn ... $hash{b} = 'foo1' # *no* warnings $hash{c} = 'bar' # warn ... $hash{d} = ':-)' # warn ...
- use => [qw/hash array scalar/]
-
watch %hash, use => [qw/array/];
チェックする変数のタイプ(スカラー、配列、ハッシュ)を指定します。 デフォルトでは、全てのタイプがチェックされます。
例;
watch %hash, use => [qw/array/]; $hash{foo} = 1 # *no* warnings $hash{bar} = 1 # *no* warnings $hash{var} = [] # *no* warnings push @{$hash{var}} = 1 # warn ...
- debug => 'dumper'/coderef
-
watch %hash, debug => 'dumper' watch %hash, debug => sub{my($self, @v) = @_; return @v }
値の表現を指定できます. デフォルトでは"dumper"がセットされています。 "dumper"は、値をData::Dumper::Dumperのフォーマットで表現します(::Terse = 0 と ::Indent = 0で)。 "dumper"の代わりに、コードリファレンスを使うこともできます。 コードリファレンスを指定した場合、コードリファレンスの第一引数は、tieされた値で、第二引数以降は値です。 コードリファレンスの実行結果が表示用の値として使われます。
- debug_value => [contents/regexs/codref]
-
watch %hash, debug => sub{my($s,$v) = @_; $v =~tr/op/po/;}, debug_value => [qw/foo boo/];
valueは値に対するものでしたが、debug_valueは、debugにより加工された後の値に対するものです。 コードリファレンスを指定した場合、コードリファレンスの第一引数は、tieされた値で、第二引数以降は値です。 コードリファレンスが偽を返した場合、無視されます。
例;
watch %hash, debug => sub{my($s,$v) = @_; $v =~tr/op/po/;}, debug_value => [qw/foo boo/]; $hash{a} = 'fpp' # warn ... because debugged value is foo $hash{b} = 'foo' # *no* warnings because debugged value is fpp $hash{c} = 'bpp' # warn ... because debugged value is boo
- r => 0/1
-
watch %hash, r => 0;
rが0であれば、リファレンスが入ってきた場合に、再帰的にチェックしません。デフォルトは、1です。
- caller => number/[numbers]
-
watch %hash, caller => 2;
これは、警告メッセージに影響します。callerが遡る数を指定します。 デフォルトは0です。0より大きくすると、その分遡ります。
配列リファレンスを指定することも出来ます。
watch %hash, caller => [1, 2, 3];
下記のような表示になります。
main %hash => {key} => 'hoge' at filename line 61. at filename line 383. at filename line 268.
メソッド
key、 value、 debug_valueなどのオプションに渡されるコードリファレンスで使われます。 tied 関数の戻り値のメソッドとして使われます。
- storage
-
watch %hash, debug => sub { my($self, $v) = @_; my $storage = $self->storage; return $storage; };
値が蓄えられているリファレンスを返します。
- parent
-
watch %hash, debug => sub { my($self, $v) = @_; my $parent = $self->parent->storage; return $parent; };
このメソッドは、$selfの親のtieされている値を返します。
例;
watch my %hash; my %hash2; $hash{1} = \%hash2; my $tied_hash2 = tied %hash2; print tied %hash eq $tied_hash2->parent; # 1
グローバル変数
- %Tie::Trace::OPTIONS
-
Tie::Traceのグローバルオプションです。 何のオプションも指定しなければ、このオプションが使われます。 このオプションをオーバーライドする場合は、
watch
をオプション付きで使ってください。%Tie::Trace::OPTIONS = (debug => undef, ...); # global options will be used watch my %hash; # your options will be used watch my %hash2, debug => 'dumper', ...;
- $Tie::Trace::QUIET
-
真なら、警告を出さなくなります。
watch my %hash; $hash{1} = 1; # warn something $Tie::Trace::QUIET = 1; $hash{1} = 2; # no warn
著者
Ktat, <ktat.is at gmail.com>
バグ
Please report any bugs or feature requests to bug-tie-debug at rt.cpan.org
, or through the web interface at http://rt.cpan.org/NoAuth/ReportBug.html?Queue=Tie-Trace. I will be notified, and then you'll automatically be notified of progress on your bug as I make changes.
サポート
perldocコマンドでこのモジュールのドキュメントを見つけられます。
perldoc Tie::Trace
日本語のドキュメント(euc-jp)は下記になります。
perldoc Tie::Trace_JP
また、下記からも情報を見ることが出来ます:
AnnoCPAN: Annotated CPAN documentation
CPAN Ratings
RT: CPAN's request tracker
Search CPAN
感謝
JNは新しい警告メッセージ(0.06から)のアイデアをくれました。
著作権 & ライセンス
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