名前

Tie::Trace - tieで簡単printデバッギング

バージョン

Version 0.08

概要

use Tie::Trace qw/watch/; # or qw/:all/

   my %hash = (key => 'value');
   watch %hash;

   $hash{hoge} = 'hogehoge'; # warn "main:: %hash => {hoge} => hogehgoe at ..."

   my @array;
   tie @array;
   push @array, "array";    # warn "main:: @array [0] => array at ..."

   my $scalar;
   watch $scalar;
   $scalar = "scalar";      # warn "main:: $scalar => scalar at ..."

説明

Tie::Traceはprintでバッキングに有用です。tieを使って、特定の変数に 入れられた/削除された値を見ることが出来ます。

入れられた値が、スカラ/配列/ハッシュリファレンスであれば、 Tie::Traceは再帰的にその値をチェックできます。

例;

watch %hash;

$hash{foo} = {a => 1, b => 2}; # warn "main:: %hash => {foo} => {a => 1, b => 2}"
$hash{foo}->{a} = 2            # warn "main:: %hash => {foo}{a} => 2"

ですが、blessされたリファレンスやtieされた値は無視されます。

関数

このモジュールは、version 0.06 から、watch関数を提供しています。 この関数のみを使うべきであって、代わりに tie 関数を使ってはいけません。

watch
watch $variables;

watch $scalar, %options;
watch @array, %options;
watch %hash, %options;

変数をwatchし、そこに、値が入ったり、消されたりすると、 下記のようなメッセージで警告します。

main:: %hash => {key} => value at ...

watchする前に値が入っていても、問題ありません。Tie::Traceはうまく動きます。

my %hash = (key => 'value');
watch %hash;

オプション

watchをオプション付きで使うことができます。 グローバルなオプションが欲しければ、グローバル変数 を見てください。

key => [values/regexs/coderef]
watch %hash, key => [qw/foo bar/];

これはハッシュのためのものです。チェックするキーの名前か、キーに対する正規表現を指定できます。 指定された/マッチしたキーでなければ、警告の対象にならず、無視されます。 コードリファレンスを指定した場合、コードリファレンスの第一引数は、tieされた値で、第二引数以降は値です。 コードリファレンスが偽を返した場合、無視されます。

例;

watch %hash, key => [qw/foo bar/, qr/x/];

$hash{foo} = 1 # warn ...
$hash{bar} = 1 # warn ...
$hash{var} = 1 # *no* warnings
$hash{_x_} = 1 # warn ...
value => [contents/regexs/coderef]
watch %hash, value => [qw/foo bar/];

チェックする値の内容か、値に対する正規表現を指定できます。 指定された/マッチした値でなければ、警告の対象にならず、無視されます。 コードリファレンスを指定した場合、コードリファレンスの第一引数は、tieされた値で、第二引数以降は値です。 コードリファレンスが偽を返した場合、無視されます。

例;

watch %hash, value => [qw/foo bar/, qr/\)/];

$hash{a} = 'foo'  # warn ...
$hash{b} = 'foo1' # *no* warnings
$hash{c} = 'bar'  # warn ...
$hash{d} = ':-)'  # warn ...
use => [qw/hash array scalar/]
watch %hash, use => [qw/array/];

チェックする変数のタイプ(スカラー、配列、ハッシュ)を指定します。 デフォルトでは、全てのタイプがチェックされます。

例;

watch %hash, use => [qw/array/];

$hash{foo} = 1         # *no* warnings
$hash{bar} = 1         # *no* warnings
$hash{var} = []        # *no* warnings
push @{$hash{var}} = 1 # warn ...
debug => 'dumper'/coderef
watch %hash, debug => 'dumper'
watch %hash, debug => sub{my($self, @v) = @_; return @v }

値の表現を指定できます. デフォルトでは"dumper"がセットされています。 "dumper"は、値をData::Dumper::Dumperのフォーマットで表現します(::Terse = 0 と ::Indent = 0で)。 "dumper"の代わりに、コードリファレンスを使うこともできます。 コードリファレンスを指定した場合、コードリファレンスの第一引数は、tieされた値で、第二引数以降は値です。 コードリファレンスの実行結果が表示用の値として使われます。

debug_value => [contents/regexs/codref]
watch %hash, debug => sub{my($s,$v) = @_; $v =~tr/op/po/;}, debug_value => [qw/foo boo/];

valueは値に対するものでしたが、debug_valueは、debugにより加工された後の値に対するものです。 コードリファレンスを指定した場合、コードリファレンスの第一引数は、tieされた値で、第二引数以降は値です。 コードリファレンスが偽を返した場合、無視されます。

例;

watch %hash, debug => sub{my($s,$v) = @_; $v =~tr/op/po/;}, debug_value => [qw/foo boo/];

$hash{a} = 'fpp'  # warn ...      because debugged value is foo
$hash{b} = 'foo'  # *no* warnings because debugged value is fpp
$hash{c} = 'bpp'  # warn ...      because debugged value is boo
r => 0/1
watch %hash, r => 0;

rが0であれば、リファレンスが入ってきた場合に、再帰的にチェックしません。デフォルトは、1です。

caller => number/[numbers]
watch %hash, caller => 2;

これは、警告メッセージに影響します。callerが遡る数を指定します。 デフォルトは0です。0より大きくすると、その分遡ります。

配列リファレンスを指定することも出来ます。

watch %hash, caller => [1, 2, 3];

下記のような表示になります。

main %hash => {key} => 'hoge' at filename line 61.
at filename line 383.
at filename line 268.

メソッド

key、 value、 debug_valueなどのオプションに渡されるコードリファレンスで使われます。 tied 関数の戻り値のメソッドとして使われます。

storage
watch %hash, debug =>
  sub {
    my($self, $v) = @_;
    my $storage = $self->storage;
    return $storage;
  };

値が蓄えられているリファレンスを返します。

parent
watch %hash, debug =>
  sub {
    my($self, $v) = @_;
    my $parent = $self->parent->storage;
    return $parent;
  };

このメソッドは、$selfの親のtieされている値を返します。

例;

watch my %hash;
my %hash2;
$hash{1} = \%hash2;
my $tied_hash2 = tied %hash2;
print tied %hash eq $tied_hash2->parent; # 1

グローバル変数

%Tie::Trace::OPTIONS

Tie::Traceのグローバルオプションです。 何のオプションも指定しなければ、このオプションが使われます。 このオプションをオーバーライドする場合は、watchをオプション付きで使ってください。

%Tie::Trace::OPTIONS = (debug => undef, ...);

# global options will be used
watch my %hash;

# your options will be used
watch my %hash2, debug => 'dumper', ...;
$Tie::Trace::QUIET

真なら、警告を出さなくなります。

watch my %hash;

$hash{1} = 1; # warn something

$Tie::Trace::QUIET = 1;

$hash{1} = 2; # no warn

著者

Ktat, <ktat.is at gmail.com>

バグ

Please report any bugs or feature requests to bug-tie-debug at rt.cpan.org, or through the web interface at http://rt.cpan.org/NoAuth/ReportBug.html?Queue=Tie-Trace. I will be notified, and then you'll automatically be notified of progress on your bug as I make changes.

サポート

perldocコマンドでこのモジュールのドキュメントを見つけられます。

perldoc Tie::Trace

日本語のドキュメント(euc-jp)は下記になります。

perldoc Tie::Trace_JP

また、下記からも情報を見ることが出来ます:

感謝

JNは新しい警告メッセージ(0.06から)のアイデアをくれました。

著作権 & ライセンス

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This program is free software; you can redistribute it and/or modify it under the same terms as Perl itself.